皆既月食

こんばんは。水曜日担当の杉浦です。

皆様、空を眺めてみてください。

今日の満月では、「皆既月食」が起こっています。月食は、太陽と地球と月が一直線に並び、月が地球の影に入る現象です。地球の影を月が通過することで、月が暗く見えたり欠けたように見えるのです。太陽と反対方向にのびる地球の陰には「半影」と「本影」があって、太陽光がほぼ遮られた濃い影が「本影」です。「半影」は薄い影なので、月が半影の中に入っても、欠けて見えるほどではないようです。肉眼で明らかにわかる月食には、月の一部が「本影」に入った「部分食」と、月のすべてが入る「皆既食」があります。今回の皆既月食では、満月から「部分食」、「皆既食」へと移り変わる様子が広い範囲で見られるのです。

ちなみに前回、欠け始めから終わりまで広範囲で見られたのは、2011年12月10日の深夜だったそうです。今日は冬の夜中に比べると、時間的にも気候的にも好条件みたいです。満月が欠け始める「部分食」が18時14分、「皆既食」が19時24分から始まり、ピークが19時54分、皆既食が終わって再び輝く部分が現れ始めるのが20時24分、満月に戻るのが21時34分です。

これは全国同時に起こるそうです。このため、月が昇ってくるのが遅い沖縄や九州では、空の低い位置で月食が始まることになります。なるべく東の空を見渡せる場所を選んだほうがよさそうです。普段は約15日間で日ごとに月の満ち欠けの様子を追っているところを、早送り(約1時間)で見られるのです。

「皆既食」で輝きが無くなった月は、闇夜に消えるのではなく、赤黒い“赤銅色”に見えます。白銀色に輝く月から赤黒い月に変わるのは、夕日が赤く見えるのと同じ仕組みです。地球を取り巻く大気によって、わずかな太陽の光が本影の中に入り込みます。この「本影」に入り込む太陽光の色の中で、大気を通過できるのは波長の長い赤い光。波長の短い青い光は、ほとんどが大気を通過することはできないのです。大気を通過できる光の量によって、赤黒く見える月の色が変わるそうです。大気中にチリなどが多いと通過できる量が少なくなるので、より暗くなります。逆に、澄んでいれば明るいオレンジ色に見えるようです。

もし今日見られなかった方は、次のチャンスが来年4月4日だそうです。